旅行よりも長く、住んでいる場所とは違う場所で生活してみたくて、1ヶ月間沖縄に滞在してみました。青い海、暖かな気候、ゆるやかな時間の流れを感じながら過ごすことができました。
コロナの時代となり、自宅で実施する仕事にも慣れてきた頃合いから、外の世界から聞こえるワーケーションという言葉に興味を持つようになりました。約1年間ほど、イキタイ気持ちを継続させながらやっと重い腰を上げることになったのです。

1年前に旅行で沖縄に行ったときに感じた感覚。北海道では見ることができないエメラルドブルーな海、冬を全く感じさせない気候、それらを最高に感じながら過ごせるリゾートホテルの数々が素晴らしい。

そんな夢のような時間を思い出として持ちながら、1ヶ月の沖縄生活に望むのでした。

はじめの5日間はお休みとして、ホテル滞在を満喫しました。その後の3週間と数日については、平日は日中仕事をしながら生活していました。


5日間のおやすみを終えてからはAirbnbを利用して確保した宿を拠点として活動を始めました。初めの2, 3日はとても濃い生活をしていた気がします。日の出時間を確認してから就寝し、朝は日の出時間前に起床し、中城湾からの日の出を観賞する。葉物野菜とスクランブルエッグ、スパムを朝食とし、それから仕事をする。夕方は西海岸へ行き夕日を見る。
朝は遅く、朝食は食べず、暗くなったことに気づかずに1日が終わる札幌での生活とは対照的すぎて、本当に来てよかったなと思った2週間でした。



旅行気分が抜けてきたのは、2週間経ったくらいでしょうか。それくらいから、朝は遅く、朝食は食べずの生活が戻ってきました。
この時、1つの気づきを得ました。人間は環境に順応する生き物。これまでの経験から、気候には3日で慣れることがわかっていました。今回は2日目には”寒い”ということばを現地で使えていました。今回は何日経つとその場所に順応したことになるのかという問題。だいたい1週間から2週間で慣れてくる。本来の自分が戻ってくるとでも表現したほうがいいのか。ただし、これは逆に捉えると1週間から2週間で生活拠点を転々と移動するならば、自制せずとも理想的なパフォーマンスが出せるのではないかということを思ったりしました。狩猟民族時代の血には抗えないというか、人間本来の力を引き出すための知恵を得た気がしました。


順応しても残ったことが1つだけありました。それは、太陽とともに1日を過ごせたこと。朝は遅くとも、天気の良い日はかならず夕日を見てから夜を迎えていました。当たり前の事ですが、太陽は決まった時間に登り、決まった時間に沈みます。僕は完璧な夕日を見るために、毎日日の入り時間を意識しながら2週間ほど生活しました。そんな事をしていると、嫌でも時間は等しく有限であることを自然に自然と突きつけられました。だからと言ってなにか始まるわけではないし、いきなり行動が変わるとかそんなことは一切ないわけですが、とにかく完璧な夕日を見るためには、自分が今いる場所の天候だけが問題ではないのです。太陽が沈むであろう水平線付近に雲がない場合にのみ水平線に重なる太陽を観賞できる、僕が完璧な夕日と表現しているのはそんな夕日でした。
1ヶ月の生活が終了する3日ほど前でしたが、心待ちとしていた水平線に沈む太陽、完璧な夕日を拝むことができました。太陽が水平線に重なる前後の空の色の移り変わりをじっと見つめながら、この夢のような時間の終わりを噛み締めたのでした。

最後に同行してくれた友人柳原氏が作成してくれた、過ごしていた地域の雰囲気がよく伝わる動画がありますので、添えさせていただきます。